介護業界のいま

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「安全重視」の介護が、高齢者の自由を奪ってしまっている場合も…?
(2016年1月14日)


独り暮らしや老老介護、日中独居の高齢者の増加に伴い、高齢者を見守るサービスが増えてきました(*1、2)。歩行が不安定で転倒が多い。認知症があって、よく、ふらりと独りで出かけていく。ケアマネジャーの方などは、そんな高齢者や家族に、見守りサービスの利用を提案することも多いと思います。

たとえば、脳梗塞の後遺症で軽い右マヒがある、パーキンソン病の女性のケース。死ぬまで自宅から離れたくないと、一軒家に独りで暮らしています。パーキンソン病の人は歩行が不安定になりがちです。歩き始めの一歩が出にくい。歩幅が小さい、すり足の小刻み歩行になる。歩き出すと突進するように止まらなくなる。そんな特徴がある病気なので、家の中ではつかまり歩きをしています。ケアマネジャーは、転倒の際など何かあったときすぐに連絡できるよう、女性に家の中でもいつも携帯電話を身につけるよう伝えていました。

ところがある日、たまたま携帯をテーブルの上に置いたまま立ち上がったとき、バランスを崩して転倒。起き上がれなくなってしまいました。テーブルの上に置いた携帯電話を取ろうと手を伸ばしても、どうしても届きません。女性は、結局、翌日、いつものように訪問したヘルパーが気づいて救急車を呼ぶまでの約20時間、そのまま動くことができませんでした。

幸い、気候のいい10月だったので大事に至りませんでした。しかし、もしこれが夏の熱帯夜だったら、脱水で命に関わったかもしれません。不安を感じたこの女性は、老人ホームに入ろうかなど、気の弱いことを言うようになりました。そこでケアマネジャーは、女性に首から提げられる緊急通報端末の利用を提案。女性は独り暮らしを続ける気持ちを取り戻したそうです。……

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